第三回 嵐の祭祠場 3-1      
「物陰の赤目先生(二刀流)」B




 『拡散の尖兵』を撃破後、物陰に佇む赤目骸骨やら罠やらを突破した俺は、慎重に崖沿いを歩いていた。
「ここで落ちたら即死だな」
 崖の道は細い。
 足を滑らせたら真っ逆さま、荒波に飲まれて最初っからやり直しだ。
 エイも、槍なのか銛なのかわからん飛び道具を撃ってくるし、気が抜けない。
 ……俺はエイって生き物が(略)。
 崖に体を押しつけるように進むと、道が右へ折れ、先が見えない。
 ……いるな。
 絶対、待ち伏せしてんのがいるはず。
「ふっ、俺もずいぶん用心深くなったもんだぜ」
 俺もデーモンを倒した戦士だ。
 うかうかと殺られはしねぇ♪
 盾を構え、じりじりじりじり進む。
 もうちょっと……、あと少しで角の先が……見えたっ!
「今度の骸骨は黄金かよ!
 コウモリにでもなんのか!」
 でっかい剣を構えた黄金骸骨が、こっちに気づく!
「こんな足場の悪い所で戦う気はねーよ。
 へい、カモン!」
 こんなとこで戦ったらまず落ちる。
 ここは広い場所に引き寄せて――


 俺はこの時、この世界を生き残る鉄則を忘れていた。
 『敵は各個撃破』、つまり1対1で戦えってことだ。
 ……エイ、空にいたんだよなー、畜生(泣)。


 

 GASYOOOOOOONNNN!


「痛っ、このエイやろー!」
 エイの銛(?)に貫かれた俺は、反射的に振り向き、エイに攻撃しようと足を踏み出しちまったのだ。
 それも、かなり大股に。
 当然、足下に地面はなかった。
「そんなアホなあああああああーーーー!」


  < YOU DIED >





   ……『順調♪』とか思うのは、死亡フラグだってことだな、とほほ。






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