『拡散の尖兵』を撃破後、物陰に佇む赤目骸骨やら罠やらを突破した俺は、慎重に崖沿いを歩いていた。
「ここで落ちたら即死だな」
崖の道は細い。
足を滑らせたら真っ逆さま、荒波に飲まれて最初っからやり直しだ。
エイも、槍なのか銛なのかわからん飛び道具を撃ってくるし、気が抜けない。
……俺はエイって生き物が(略)。
崖に体を押しつけるように進むと、道が右へ折れ、先が見えない。
……いるな。
絶対、待ち伏せしてんのがいるはず。
「ふっ、俺もずいぶん用心深くなったもんだぜ」
俺もデーモンを倒した戦士だ。
うかうかと殺られはしねぇ♪
盾を構え、じりじりじりじり進む。
もうちょっと……、あと少しで角の先が……見えたっ!
「今度の骸骨は黄金かよ!
コウモリにでもなんのか!」
でっかい剣を構えた黄金骸骨が、こっちに気づく!
「こんな足場の悪い所で戦う気はねーよ。
へい、カモン!」
こんなとこで戦ったらまず落ちる。
ここは広い場所に引き寄せて――
俺はこの時、この世界を生き残る鉄則を忘れていた。
『敵は各個撃破』、つまり1対1で戦えってことだ。
……エイ、空にいたんだよなー、畜生(泣)。
GASYOOOOOOONNNN!
「痛っ、このエイやろー!」
エイの銛(?)に貫かれた俺は、反射的に振り向き、エイに攻撃しようと足を踏み出しちまったのだ。
それも、かなり大股に。
当然、足下に地面はなかった。
「そんなアホなあああああああーーーー!」
< YOU DIED >
……『順調♪』とか思うのは、死亡フラグだってことだな、とほほ。
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