第三回 嵐の祭祠場 3-1      
「物陰の赤目先生(二刀流)」@




Hi,オーゾ・シャープだ。
たまには挨拶も変えてみたぜ。
前回、頭脳戦でデーモン『塔の騎士』に勝った俺は調子にのり、神殿の要石(かなめいし)を使い『塔のラトリア』って所に行ってみたんだ。
魔法も慣れてきたし、俺やれるっしょ?、とか思ってな。


…………甘かったorz


塔のラトリアは魔術で栄えた地。
そのラトリアを滅ぼしたデーモン『黄色い翁』がいる所だけあって、うろついてる化け物も魔法が強いのなんのって。
最初の化け物は頭がタコの人型で、ついたあだ名が『タコ看守』。
後で助けたフレーキ爺さんがそう呼んでんだが、もう、タコのくせに呪文どうやって唱えてんだ畜生!
「なんで『ソウルの矢』の一撃で体力が9割も減るんだよ、ってまじかよもう一発きやがっ――」





  < YOU DIED >





…………とりあえず、他の所行くか。


と、いうわけで、俺が次に行ってみたのは『嵐の祭祠場』。
ひゅーーるるるーーー、と風が吹きすさび、空は灰色、気持ちも灰色な所だ。
「うおっ!?」
歩き出したら、離れた場所でいきなり骸骨が起きあがって切りつけてきた。
ちょっと強いし、しかもローリングするから速い速い。
ダッシュしても逃げらんねーよ。
しかしまぁ俺も『塔の騎士』を倒した男だ。
ここは慌てず盾を構えて……ってスタミナがむちゃくちゃ削れられてるよ!
盾構えてらんねーよ!
焦りまくった俺は、草を食って回復しながら激闘を続け、なんとかローリング骸骨を倒すことに成功した。



…………しょっぱなからこれで、俺、大丈夫なんかなー。
そこはかとない不安を抱えつつ、俺は一つ目の門を越えて先に進んだのだった。






え?
そもそも、何で『ボーレタリア王城』の先に向かわないのかって? 
苦労して『塔の騎士』倒したのに?
なんかなー、俺も『塔の騎士』倒した後、城壁の向こうに進もうとしたんだが、扉に『色のない霧』がかかって入れなかったんだわ。
どーも他の所の親玉デーモン(各エリアのボス)をぶちのめさないと先に進めねーらしい。
『ボーレタリア王城』にいんのはこの騒ぎの元凶のオーラント王だろーから、最後に行けばいいんじゃねぇかなー、って思ってる。
…………老王オーラント、ボーレタリアを滅ぼした王様、なぁ。
神殿にいる王子もなー、複雑な気分だろうな。
父親が国滅ぼして、世界もハメツさせよーってんだから。
ま、俺としては王子がうろちょろ徘徊して勝手に死ななきゃいい話だ。
助けた後に死なれると、ほんと寝覚めが悪いもんでね。


第二回Aへ   >第三回A